近年、油圧ショベルなどの建設機械が自然災害が起きた際の復旧作業や復興工事などで活躍しているのをご存知ですか?
一体、どのような建設機械が災害復興の現場でどのように役立っているのか、前編・後編にわたってご紹介させて頂きます。
まるでSFメカ!双腕重機『ASTACO』
双腕重機とは、その名の通り2本のアームが印象的な重機です。2本のアームがあることで長い物を曲げたり、掴みながら切るなど複雑な作業が可能となります。
2つのアームを伸ばした姿はインパクト抜群で、子どもから大人まで幅広い層の人気を集めているそう。双腕重機は日本全国に数種類しかないので、今のところ、実質的には固有名詞に近い呼称となっています。
双腕重機の中でも有名なのが、2005年に日立建機が油圧ショベルをベースに開発された、初めての双腕重機『ASTACO 』。
そして、ASTACOの改良版『ASTACO NEO』です。
2本の腕の特徴は左右非対称で、右腕が主腕、左腕が副腕の役割を担っていることが特徴です。
右腕の先端部には10~13トン級の、左腕の先端部には4トン級のショベルカー用アタッチメントを装着できます。
アタッチメントには、物をつかむ「グラップル」や、鉄骨などを切断する「カッター」、コンクリートやアスファルトを砕く「圧砕機」、砂利や廃材を載せる「バケット」などがあり、用途に応じて付け替えることが可能です。
『ASTACO NEO』は東日本大震災の被災地で、倒壊した建物の解体や瓦礫の撤去作業などで活躍し注目を集めました。
東日本大震災直後の現場は、途方に暮れてしまうくらい手がつけられない状態で、普通の重機では対応できないほどでした。
瓦礫の中に閉じ込められた人も大勢いた中、『ASTACO NEO』は消防車や救急車などが通れるよう道路啓開を行い、瓦礫や土石流に巻き込まれた人の救助にも大いに役立ちました。
また、ひっくり返った車や大量の瓦礫をその場で鉄やアルミなどに細かく分別し、撤去作業の効率化も可能としました。
そのような多くの人手が必要となる撤去作業も双腕重機を使うと一人でできるというメリットもあり、人手不足の復興現場では欠かせない存在となりました。
『双腕重機』のさらなる可能性
日立建機は2018年に、「四脚クローラー方式双腕型コンセプトマシン」を開発しました。
優れた機能を持った『ASTACO』シリーズですが、課題もあったようです。例えば足回り。
通常のクローラーでは足場の悪い災害現場などで機体が安定しません。
今回開発したコンセプトマシンに、四脚クローラーを採用することでそれを解決しました。
コックピットでの操縦はSFアニメのロボットをイメージさせるような遊び心も施されているのだとか。
見た目も本物のロボットを感じさせる出立ちで人気もますます高まりそうです。性能もさらにパワーアップしていく双腕重機。
コンセプトマシンにおいては、建設・土木および鉱山、解体、林業、産業廃棄物の処理、金属リサイクルなど、さまざまな業種で活用される建設機械の作業領域が、今後さらに広がっていくことを見据えて開発されたものだそうです。
自然災害の復興現場などでもさらなる活躍を見せてくれることでしょう。