「重機」と聞いて何を思い浮かべますか。工事に使われているのはなんとなくわかるけれど馴染みがないと感じる方も多いかもしれません。
しかし実は私たちの暮らしと重機には、切っても切り離せない密接な関係があります。
今回は重機がどのようなことに使われているのか、活躍している場面をご紹介します。
【重機って何のこと?】
重機とは「土木・建築工事に用いられる機械」全般のことです。自走するものを「重機」、それ以外を「建機」として区別することもありますが、重機と建機を同じものとして表現することもあり、境目は曖昧だといえます。
ここでは自走するかしないかに関わらず、土木・建築の作業に使われる機械を重機として表記します。
【どんな場面で使われているの?】
〇街を作るとき
重機が使われている場面としてまず思い浮かぶのは道路や建物の工事ではないでしょうか。普段から街で見かけることも多いと思います。
油圧ショベルやクレーン車、ダンプトラックといった聞き覚えのあるものから、電柱などを建てる穴掘建柱車、道路にアスファルトを敷くアスファルトフィニッシャーなど人によってはあまり見慣れないものまで、多くの重機が活躍しています。私たちの生活の基盤となる公共施設、ガスや水道、道路、線路、通信や電気などのインフラ整備に重機は欠かせません。
地面を掘ったり整地する、資材を運ぶ、土砂をすくうなど、それぞれの作業で役割を果たしています。
他にもホイールローダや整地作業に使用するモーターグレーダーは除雪作業でも活躍していますし、移動式クレーンは石碑や墓石の設置の際にも使われています。
トンネルを作る時には硬い岩盤を掘削するためのロードヘッダーや、トンネルの壁面にコンクリートを吹き付けるためのコンクリート吹付機など特別な重機が使われています。
このように街で見かける多くのものが重機の力を借りて出来上がっています。
〇農作業、酪農、畜産
私たちが口にする食べ物を作るときにも重機は活躍しています。例えば稲作では田んぼを耕し、苗を植え、稲を刈るといった作業に重機が取り入れられています。
農地の整備はもちろんのこと、肥料や穀物、飼料の積み込み・運搬にも使われます。ジャガイモを収穫するポテトハーベスタ、ニンジンを収穫するキャロットハーベスタなど、特定の野菜の収穫に特化した重機もたくさんあります。
酪農や畜産では、たい肥を散布するマニュアルスプレッダ、牧草を刈り取るモーア、干し草や藁を圧縮して梱包するベーラーなどが使われており、こちらでも専用の働きをする重機が稼働していることがわかります。
〇林業
樹木を伐採し木材を生産するのが林業です。森林樹木の維持に関わる仕事も行います。
木材を生産するには苗木を植えた後、間伐や枝打ち、草刈りなど様々な手入れを行い木を育て、伐採を経て再び苗木を植えます。林業では急傾斜での作業に適した重機が使われています。木の伐倒から集積作業まで一貫して行うことのできるハーベスタ(伐倒造材機)や、木材を積んで運ぶフォワーダ(積載式集材車輌)などが有名です。
〇解体作業
解体作業とは古くなった建物を取り壊す作業のことです。鉄筋建築を切断できるはさみ(ギロチン)や、手のようにつかんで荷物の積み下ろしができるグラッブルバケットなどのアタッチメントがあり、解体作業に必要な様々な作業に対応します。解体専用機と呼ばれる専用の重機もあります。解体する場所や状況によって形状を選択することができ、例えば高層ビルやマンションの解体専用機は長さ65メートル、マンションで言うと20階以上の高さにもなる非常に長いブームを備えています。
ロボットのような2本の腕が特ちょうの解体用双腕重機は「支えながら引き出す」「掴みながら切る」「長いものを折り曲げる」といった複雑な動きができ、これまで複数の機械が行なっていた作業を一台でこなします。解体作業のみならず救助活動などの場でも活躍しています。
〇金属リサイクル
解体現場や工場から出てくる金属屑は、資源として再利用されます。金属をリサイクルすることは天然資材の少ない日本だけでなく、地球全体の貴重な資源を守ることにつながっています。金属を集める段階だけでなく、金属の粉砕後の選別や仕分けといった作業にもそれぞれ専用の重機が用意されています。
〇災害現場
災害時の救援の場面では小型重機も活躍しています。救助に向かう緊急自動車がたどり着けるよう道を整理したり、土砂を片付けたりするなど多くの場面で使用されています。
【まとめ】
今回ご紹介したのは一例ですが、直接関わる機会はなくても重機の活躍が多岐に渡り、私たちの暮らしのあらゆる場面にその存在があることがおわかりいただけたかと思います。
重機は生活を支えるだけでなく、未来も作っています。そして重機自体も進化し続けています。通信システムやロボット技術の開発が進み、より安全で効率的な工事ができるようになってきています。
また、新素材を取り入れる研究もされています。例えば炭素繊維で重機を作ることによって軽量化を図り、輸送コストと輸送時の二酸化炭素排出量を抑えるなど、重機を通して私たちが目指す人にも環境にも優しい社会作りの形も見えてきます。
重機と人はこれからも未来の社会でつながっていくのでしょう。