大きく力強い姿で人々を魅了する大型クレーン。
ビルの建設工事などで見かけることが多いと思いますが、大型クレーンも様々な種類があるのをご存知ですか?
クレーンの中でもトップレベルの迫力を持つのが、国内最大級の起重機船「武蔵」です。
橋の設置工事などに使われることが多いので普段見かけることはあまりないと思いますが、一度間近で見るとその迫力に誰もが圧倒されることでしょう。
では武蔵とはどのようなものなのか、またどのような場面で活躍しているのかなどをここでは紹介していきたいと思います。
武蔵とは
武蔵とは「深田サルベージ建設」という大阪に本社を置く会社が所有している、起重機船(以下よりクレーン船)です。長さ107m、幅49m、深さ8mと、近くで見ると圧倒されるほどのサイズ感を持っています。
また同社が所有するクレーン船の中でも最大級の大きさとなっており、主巻定格荷重と呼ばれる実際につることができる上限の重さは3700トンと常人には理解できない重さまで持ち上げることが可能です。
クレーン部分にはオレンジと白の塗装が施された外見をしています。遠くから見たら二頭の頭を持つ龍のような見た目をしているのでかっこいいですね。
徳島県でも大活躍
現在、国が計画をすすめている四国横断自動車道の一部として徳島市の新町川河口に新しく橋をかける大規模な工事が2020年10月から開始されました。
2回目の架設工事が行われた際には武蔵が使用され話題となりました。
この日は長さ156メートル、2830トンのブロックを取り付ける作業が行われ、台船で運ばれたブロックを武蔵によって吊り上げ約6時間かけて別のブロックに接続し、沖洲高架橋から170メートルまで伸びました。
なかなか見ることができない大型クレーン船の活躍を一目見ようと早朝から約100人の見物人が訪れ、街と街とが繋がる瞬間を目の当たりにしていたそうです。
その他の大型クレーン船
武蔵ほどのスペックをもつクレーン船は多くないですが、同規格とさらに上のクレーン船はいくつかあります。
吉田組の「第50吉田号」は定格荷重が3700トンとなり、武蔵と同じです。
また寄神建設の「洋翔」は定格荷重4000トンとさらに大きく、同じく寄神建設の「海翔」4100トンと日本最大になっています。
いずれのクレーン船も橋建設などに関わっており、「海翔」は武蔵と同じく徳島県南部の新町川を超えて町をつなぐ橋建設で活躍しました。
ちなみに、「武蔵」「海翔」「第50吉田号」の3隻の大型クレーン船は東京ゲートブリッジの工事にも携わっていたそうで、3隻が並んで作業している風景も話題になりましたね。
余談ですが世界最大のクレーン船は14200トンも持ち上げられるそうです。
もはや想像すらできませんね。
また、これら大型クレーンの一日の使用料は場合によって異なりますが1,000万円を超えるとか超えないとか。
金額だけでもそれだけ大掛かりな作業だということが伺えますね。
生活を支える陰の主役
日常的に大型クレーンと関わる方は少ないと思います。建設系や専門の業界の方でなければ名前すら知らない場合も多いでしょう。
しかし私たちが何気なく通っている橋などは、武蔵のようなクレーンが活躍して初めて完成することができます。
つまり日常にある当たり前を作っているのは大型クレーンたちとなります。
また復興事業にも大きく貢献しています。
壊滅的な被害を受けたインフラを新たに構築しているのも武蔵などのクレーン船です。
2018年9月に発生した台風21号の影響でタンカー船が衝突した関空連絡橋の橋桁の復旧作業にも武蔵が携わりました。
恩恵を受けて生きているので見かけたときには感謝のまなざしを送りたいですね。
武蔵などの大型クレーンが使われて工事が進められている四国横断自動車道の完成が待ち遠しく思います。
完成した際にはぜひ利用したいですね