前回の記事で、災害現場で活躍している重機のひとつとして双腕重機について紹介しましたが、復興支援で欠かせない建設重機は他にもあります。
それはミニショベルカーなどの『小型重機』です。ミニショベルカーが1台あるだけで、災害救援の現場は大きく変わると言われるほど災害現場での小型重機の重要度は高まっています。
ここでは、コンパクトで身軽なミニショベルカーだからこそできる災害現場での役割について紹介していきたいと思います。
『ミニショベルカー』とは?
そもそもショベルカーとは主に、土を掘るなどの”掘削作業”、掘った土をダンプカーやトラックに積み込む“積み込み作業”、アタッチメントを変えての”破砕、選別作業”、キャタピラー前方にブレードを付けての”整地作業”など、工事現場や農林業現場で汎用性の高い重機を指します。
その中で機体重量6トン以下、またはバケット容量が0.25平方メートル未満のものを『ミニショベルカー』といいます。(『ミニ油圧ショベル』ともいう。)
『ミニショベルカー』が災害現場で欠かせない理由
通常の建設現場では、重機を使う前提で計画的に工事を進めるために重機に適した環境で作業が行えます。立地的に適していなさそうな場所でも、出来る限り重機を使えるような環境を整え重機を使用します。
そのため、大規模な建設現場では小型重機よりも大型重機の方が多くの作業量をこなせ効率良く作業をすすめることができます。
ところが災害現場の場合、土砂や瓦礫が至る所に散乱している環境で重機を動かさないといけなくなります。また、一般家屋の庭先等、大型重機に適していない地形であることも多いのです。大型の重機が入り込めない、かといって人力だけでは凄まじい労力がかかってしまい作業が難航してしまう。そんな中、人力の何倍ものパワーを発揮し小回りの利く『ミニショベルカー』などの小型重機が災害現場で欠かせない存在となるのです。
具体的な使われ方
『ミニショベルカー』のバケット部分には爪付きタイプと爪のないフラットなタイプがあり、現場に応じて付け替えることができます。
災害現場で主に使われるのは爪のないタイプ。災害現場は、建設現場のように固い地面を掘ることはなく、道路や家屋を覆う瓦礫や土砂を取り除く作業が中心になります。
大事なものを探すときや行方不明者の捜索時などでは表面を1、2センチずつ慎重に掘り下げるという作業も多く見受けられるため爪のあるタイプのバケットだとそぐわないのです。
また、土砂や瓦礫の除去、土砂の切削、ダンプカーなどへの積み込み作業以外にも、流されてしまった橋の代わりに簡易な鉄の橋を架けるクレーン作業もこなします。
復興支援で欠かせない小型重機
災害現場では、通常の建設現場よりも頻繁に重機からの乗り降りが発生します。
災害現場は自然に荒らされた状態なので、何が起きているのか詳細を事前に知ることができません。その都度、頻繁に打ち合わせを要するのです。乗り降りが多く発生した分、危険度は増していく上、二次災害が起きる危険も付いて回ります。
そんな災害現場における小型重機の活用では、迅速かつ的確な判断と丁寧な技術が求められます。そのため災害時に小型重機を活用することのできる人材の育成もさまざまな地域で行われています。
自然災害の多い日本では、地震だけでなく台風や集中豪雨などの被害にあった地域での復旧作業や被災者の救助を行うのに建設機械を使用する場合が多々あります。現場では、スピードが鍵となります。
いかに早く現場に到着し、がれきや土石流をすばやく撤去し巻き込まれた人を救うかが最も重要です。
今もなお、震災や集中豪雨で被害に見舞われた地域の中には復旧作業が続いているところもあります。
ミニショベルカーをはじめとする建設機械は街の復興には欠かせないものとなっています。ミニショベルカーは、普段は身軽でコンパクトな見た目の小型重機ですが、現場で大活躍している姿はどの重機にも負けないくらい壮大で心強い存在となっています。